趣旨・沿革
長期滞在型・ロングステイ観光学会創設の趣旨
長期滞在型・ロングステイ観光学会の設立母体であるロングステイ財団の歴史は、1986年に通商産業省が「定年後の第二の人生を、海外で豊かに暮らそう」という趣旨の「シルバーコロンビア計画“92“」を提唱したことに遡ります。その後、「海外滞在型余暇協議会」「海外滞在型研究会」が設置さるなどの経緯を経て、1992年に財団法人ロングステイ財団が設立されました。「生活の源泉を日本に置きながら海外の1か所に比較的長く(2週間以上)滞在し、その国の文化や生活に触れ、現地社会への貢献を通じて国際親善に寄与する海外滞在スタイル」を総称してロングステイと名づけその普及啓発活動に取り組んできました。その後、国内ロングステイ(1週間以上)滞在の普及にも取り組み、長期滞在型余暇という新しいライフスタイルの提言を行ってきました。2014年には海外ロングステイの経験者は156万9千人に達し日本人のライフスタイルとして定着をした感があります。
長期滞在型・ロングステイ観光学会設立の趣旨は、こうした海外ロングステイに代表される長期滞在型観光の普及に注目し、人文・社会・自然・経済の各領域で学術研究に従事する内外の研究者が、海外ロングステイに加えて東京圏の高齢化に対する危機回避との関連で注目される、移住や政府が推進する日本型CCRC(Continuing Care Retirement Community)構想などの国内ロングステイも含む長期滞在型観光や二地域居住など研究の成果を公開し、その科学的妥当性を検討する場を創設することにあります。この新しい学会を通して研究成果を共有するだけではなく、蓄積される知見を広く観光産業や持続可能な魅力ある国土の醸成(地域の魅力の創出)の実践の場に活かすことができれば、今や観光立国を国是の一翼と位置づけるわが国の在り方に大きく貢献できるものと期待されます。
研究テーマとしては、長期滞在型観光の事例研究や課題研究、成功事例と実践への共有、長期滞在型観光に対するステークホルダーや地域に対する政策提言まで幅広い分野にわたるものが期待されます。それゆえに、観光研究に於いて哲学、法学、医学といった領域からの研究成果が有意義な知見を育んでいるように、人文・社会・自然・経済のあらゆる専門分野からの展開が期待されます。
本学会は、長期滞在型観光(ロングステイ)に関する広範な知識や経験を体系化し、日本政府が成長戦略の柱とする「観光立国の強化」と「地方創生」に寄与するとともに、従来の日本人の旅行形態や余暇の過ごし方に関わる社会的諸課題に取り組み官学民連携のもと長期滞在型観光(ロングステイ)のさらなる振興を図ることを目的とするものであります。
沿革
2012年4月 | 一般財団法人ロングステイ財団において、「学術的研究組織」設立準備委員会を開催 学会設立に向けた準備を開始 |
2015年3月 | 一般財団法人ロングステイ財団 理事会において 2016年3月を目途に「学会」設立を正式に検討するよう採択 |
2015年6月 | 第1回発起人会議を開催 |
2015年9月 | 第2回発起人会議を開催 ※学会名「長期滞在型・ロングステイ観光学会」とする ※設立趣旨、目的、会則の各案を起案 発起人の承認を得る |
2015年10月 | 第3回発起人会議を開催 ※学会英文名を「Academic Society of Japan for Longstay Trourism」とする |
2015年11月 | 学会ホームページ開設 プレスリリース(学会設立、設立記念総会(2016年3月)開催発表) 学会員入会申込受付開始 |
2015年12月 | 第4回発起人会議を開催 |
2016年2月 | 第5回発起人会議を開催 |
2016年3月 | 長期滞在型・ロングステイ観光学会 設立記念総会・シンポジウム開催 帝京大学霞が関キャンパス |
2017年3月 | 第1回年次大会開催 |
2018年3月 | 第2回年次大会開催 |
2019年3月 | 第3回年次大会開催 |
2021年3月 | 第5回年次大会開催 |
2022年1月 | 学会名称を「ロングステイ観光学会」に変更 |
2022年3月 | 第6回年次大会開催 |