ロングステイ観光学会で2025年度に活動する分科会が採択されましたので、お知らせいたします。なお、当分科会は他学会員のオブザーバーとしての参加受け入れをしております。ご興味のある方は学会事務局(asjlt.office[at]gmal.com ※[at]は@に変更してください)までご連絡ください。
〇ウズベキスタンにおける外国人滞在者に対する医療サービス事情
代表申請者:池田 寿美子
テーマ
ウズベキスタンにおける外国人滞在者(短期・中期・長期)への医療サービスの状況
目的
近年、中央アジアへの関心が高まる中、ウズベキスタンはその歴史的・文化的資源の豊かさから、日本人にとって魅力的な観光地として注目を集めている。中でもユネスコ世界遺産に登録されたサマルカンドやブハラなど、シルクロードの古都が点在することにより、観光地としての認知度が上昇している。現在では大手・中小を問わず多くの旅行会社がツアーを展開しており、親日的な国民性も相まって、短期滞在だけでなく、ロングステイを希望する日本人も増えつつあり、日本人のロングステイ先としてポテンシャルの高い国である(現在の在留邦人は130名)。
長期滞在先を決定する要素として、観光資源のみならず、滞在中の安心を支え暮らしやすさの指標となる社会インフラの整備状況、特に医療サービスへのアクセス可能性と質が重要な役割を果たす。万一の疾病や事故に対して、外国人がどのような医療を受けられるのか、通訳体制や決済方法などに関する情報は、長期滞在の要となる。
本調査は、ウズベキスタンにおける長期滞在者(特に日本人を含む外国人)に対する医療サービスの現状と課題を明らかにし、医療をロングステイの基盤インフラとして位置づける視点から、現地調査を行いその現状を調査し報告することを目的とするものである。
予想される研究の成果
ウズベキスタンの外国人長期滞在者の医療ニーズとその対応状況(公的・私立医療機関・緊急対応・言語サポート等)を調査し、体系的整理を行う。また、関係機関への訪問や聞き取りを通じ、実際に提供されている医療サービス(通訳などの言語サービスも含む)について確認を行い、それをまとめたものについて報告を行う。これにより、ロングステイ希望者が、医療情報を基にして滞在の可能性を検討することが可能となる。ロングステイにおいて医療インフラ情報が充実していることは、観光地としてのウズベキスタンの魅力を高める要素にもなる。
なお、日本政府は、ウズベキスタンに対し、医療機材の整備(ハード面)だけでなく、医療人材の育成(ソフト面)においても多角的・継続的な支援を行ってきた。こうしたODAの取り組みがロングステイに与える波及効果についても、検証したい。
調査報告書の提出・分化会での発表