学会について

代表挨拶

ロンググステイ観光学会
                       会長  安島 博幸

 ロングステイ観光学会は、2016年3月に(一財)ロングステイ財団を設立母体とし、(旧名称)長期間滞在型・ロングステイ観光学会として誕生しました。元々は、通商産業省(現経済産業省)が提唱した「定年後の第二の人生を、海外で豊かに暮らすという新しいライフスタイルの提案」という趣旨に沿い、それを学術的に支え、長期滞在型観光の普及に必要な諸条件を整備することが目的でした。実際に海外ロングステイの実践経験者は、2016年時点で、推定157万人に達し、日本人のライフスタイルの一つとして定着しました。

 しかし、その後の社会情勢・経済情勢の変化により、海外でのロングステイを取り巻く環境は厳しさを増し、特に、2020年の初頭から流行したコロナウィルス感染症によるパンデミックは、国境を越えての動きを大きく制限することになり、実質的に実施することがしばらくは難しい事態となりました。

 このような事情を踏まえ、海外ロングステイに加えて国内でのロングステイの様々なスタイル、すなわち長期滞在型観光や二地域居住、さらにコロナ禍で盛んになったワーケーションなども含む、大きな領域を研究対象とした学会として、新たに出発することにいたしました。本学会は、以前から、アカデミアの研究者だけではなく、ロングステイ観光の実践者も会員となっているところに特徴がありましたが、研究とその成果を活かした実践が結びついた学会のあり方は、今後も大事にしていきたいと考えております。

 また、2021年の学会の改革によって大きく変わったのは、学会での活動をオンラインに移行したことです。オンライン化により、国内外の遠隔地からの参加が可能となり、新しいスタイルの大会・研究会などの実施が期待されるとともに、開催校における会場の確保・設営などの担当理事や開催校の担当者の労力と経費を削減する効果が期待できます。学会誌なども基本的にオンラインとします。

 新しい時代へ向けた学会の改革は、一応完了しつつありますが、本来の研究活動の本格化はこれからの課題です。観光学の全体からすると守備範囲は限られたものとなりますが、研究テーマとしては、国内・海外・インバウンドロングステイ観光の事例研究や課題研究、成功事例と実践への共有、ロングステイ観光に対するステークホルダーや地域に対する政策提言まで幅広い分野にわたるものが期待されます。また、他の分野の観光研究と同様に、あらゆる分野の研究の方法論を動員して真実に迫っていただきたいと期待しております。

 本学会は、ロングステイ観光に関する広範な知識や経験を体系化し、従来の日本人に欠けている旅行形態である長期間の滞在型観光や休暇の過ごし方に関わる社会的諸課題に取り組み、官学民連携のもとロングステイ観光のさらなる振興を図ることを目的とするものであります。

学会趣旨

長期滞在型・ロングステイ観光学会創設の趣旨

長期滞在型・ロングステイ観光学会の設立母体であるロングステイ財団の歴史は、1986年に通商産業省が「定年後の第二の人生を、海外で豊かに暮らそう」という趣旨の「シルバーコロンビア計画“92“」を提唱したことに遡ります。その後、「海外滞在型余暇協議会」「海外滞在型研究会」が設置さるなどの経緯を経て、1992年に財団法人ロングステイ財団が設立されました。「生活の源泉を日本に置きながら海外の1か所に比較的長く(2週間以上)滞在し、その国の文化や生活に触れ、現地社会への貢献を通じて国際親善に寄与する海外滞在スタイル」を総称してロングステイと名づけその普及啓発活動に取り組んできました。その後、国内ロングステイ(1週間以上)滞在の普及にも取り組み、長期滞在型余暇という新しいライフスタイルの提言を行ってきました。2014年には海外ロングステイの経験者は156万9千人に達し日本人のライフスタイルとして定着をした感があります。

長期滞在型・ロングステイ観光学会設立の趣旨は、こうした海外ロングステイに代表される長期滞在型観光の普及に注目し、人文・社会・自然・経済の各領域で学術研究に従事する内外の研究者が、海外ロングステイに加えて東京圏の高齢化に対する危機回避との関連で注目される、移住や政府が推進する日本型CCRC(Continuing Care Retirement Community)構想などの国内ロングステイも含む長期滞在型観光や二地域居住など研究の成果を公開し、その科学的妥当性を検討する場を創設することにあります。この新しい学会を通して研究成果を共有するだけではなく、蓄積される知見を広く観光産業や持続可能な魅力ある国土の醸成(地域の魅力の創出)の実践の場に活かすことができれば、今や観光立国を国是の一翼と位置づけるわが国の在り方に大きく貢献できるものと期待されます。

研究テーマとしては、長期滞在型観光の事例研究や課題研究、成功事例と実践への共有、長期滞在型観光に対するステークホルダーや地域に対する政策提言まで幅広い分野にわたるものが期待されます。それゆえに、観光研究に於いて哲学、法学、医学といった領域からの研究成果が有意義な知見を育んでいるように、人文・社会・自然・経済のあらゆる専門分野からの展開が期待されます。

本学会は、長期滞在型観光(ロングステイ)に関する広範な知識や経験を体系化し、日本政府が成長戦略の柱とする「観光立国の強化」と「地方創生」に寄与するとともに、従来の日本人の旅行形態や余暇の過ごし方に関わる社会的諸課題に取り組み官学民連携のもと長期滞在型観光(ロングステイ)のさらなる振興を図ることを目的とするものであります。

沿⾰

2012年4⽉⼀般財団法⼈ロングステイ財団において、「学術的研究組織」設⽴準備委員会を開催
学会設⽴に向けた準備を開始
2015年3⽉⼀般財団法⼈ロングステイ財団 理事会において2016年3⽉を⽬途に「学会」設⽴を正式に検討するよう採択
2015年6⽉第1回発起⼈会議を開催
2015年9⽉第2回発起⼈会議を開催
※学会名「⻑期滞在型・ロングステイ観光学会」とする
※設⽴趣旨、⽬的、会則の各案を起案 発起⼈の承認を得る
2015年10⽉第3回発起⼈会議を開催
※学会英⽂名を「Academic Society of Japan for Longstay Trourism」とする
2015年11⽉学会ホームページ開設
プレスリリース(学会設⽴、設⽴記念総会(2016年3⽉)開催発表)
学会員⼊会申込受付開始
2015年12⽉第4回発起⼈会議を開催
2016年2⽉第5回発起⼈会議を開催
2016年3⽉⻑期滞在型・ロングステイ観光学会
設⽴記念総会・シンポジウム開催
帝京⼤学霞が関キャンパス
2017年3⽉第1回年次⼤会開催
2018年3⽉第2回年次⼤会開催
2019年3⽉第3回年次⼤会開催
2021年3⽉第5回年次⼤会開催
2022年1⽉学会名称を「ロングステイ観光学会」に変更
2022年3⽉第6回年次⼤会開催
2023年2月第7回年次大会開催

役員リスト・会則

役員リスト

役員リスト

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会則

会則

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